トビタテ!留学JAPANとは
グローバル化の進展や先端技術の急速な高度化により、世界は激しく変化し、格差や気象変動など地球規模で解決すべき多くの課題も抱えています。こうした先を見通すことが困難な時代に、社会変革を実現するためには、変化を受容し、異文化を理解?尊重しながら、チャレンジ精神を持って新しい価値を創造することのできるグローバル人材を育成することが重要です。
若い頃の海外経験は、将来の可能性や選択肢を広げ、人生を豊かにすることができる素晴らしい経験です。私自身、海外での勤務経験がありますが、貴重な人脈を作り、異なる文化について知るとともに、改めて日本を見つめ直す大変良い機会であったと感じています。海外留学もその一つの有効な手段であり、文部科学省では、若者の海外留学を後押しするため、「トビタテ!留学JAPAN」を推進し、海外留学の魅力や意義等を広く情報発信するとともに、国費による海外留学支援を行っています。
2013年度から2022年度までの第1ステージでは、250を超える民間企業?団体、350を超える個人からの約123億円の御寄附を活用し、約9,500人の若者が、海外での多様な実践活動の経験等を経て、グローバル人材としての成長を遂げ、国内外で各種の表彰等を受けたり、自身で起業したりするなど、目覚ましい活躍を見せています。
新型コロナウイルス感染症の影響により減少した日本人学生?生徒の海外留学をいち早くコロナ禍前の水準に回復することを目指し、引き続き、産学官をあげてグローバル人材育成の取組を強化するため、2023年度から新たなビジョン及びコンセプトを掲げた第2ステージ(2027年度までの5年間)を実施しています。
第2ステージでは、より若い時期からの海外経験を将来の留学につなげるため、高校段階の支援を拡充した「新?日本代表プログラム(5年間で高校生等4,000人以上、大学生等1,000人以上)」をスタートするなど、新たな“グローバルリーダー”、社会に対してインパクトを生む人材を輩出することとし、2023年度では、高校生等708人、大学生等261人が派遣留学生として選ばれています。
また、教育未来創造会議第二次提言(2023年4月27日)において、2033年までに日本人学生?生徒の海外留学者数を全体で50万人に引き上げることを目指すとしており、海外留学の機運醸成を含め、「トビタテ!留学JAPAN」が果たす役割は大きいと考えています。
これからの社会変革を担う若い世代一人一人の可能性を最大限に伸ばすことのできるよう、50年後100年後の未来を見据え今後も全力で取り組んでまいりますので、多くの若者に海外留学にチャレンジしていただきたいと願っています。そして、将来の日本を支えるグローバル人材の育成につきまして、皆様方の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
令和5年10月12日
文部科学大臣